契約内容に関わるトラブル事例などをご紹介

1.工事予定日になっても着工してくれない

雨漏りがするので、リフォーム事業者と屋根を葺き替える契約を締結し、着工前に工事代金の半額を支払いました。しかし、リフォーム事業者は工事予定日になっても着工してくれません。他の事業者にお願いしたいので、契約を解除して支払った代金の返還を請求できるでしょうか。

防止策と対応方法

まずは、リフォーム事業者に連絡をとって、事情を確かめましょう。
契約書に工事予定日の記載があるにもかかわらず着工しない場合、契約内容どおりに着工しないことを理由に、契約を解除することができます(債務不履行解除・民法541条)。
書面に、期限を区切ってその期限内に着工すること、期限内に着工されなかった場合は契約を解除することを明記し、リフォーム事業者に送付しましょう。
契約を解除した場合は、既に支払った工事代金の返還を求めることもできます。

解説

ケースに応じて以下のような契約解除方法があります。

  • ① 訪問販売による解除(クーリング・オフ)
    訪問販売により契約をした場合、契約書を受領した日から8日間は無条件でクーリング・オフができます。
  • ② 契約違反を理由とする解除
    契約どおりの工事を行ってくれない場合は、債務不履行となり契約を解除できる場合があります(債務不履行解除)。
  • ③ 注文者と請負人の双方の合意による解除契約を結び工事を開始しても、双方が合意すれば契約を解除するととができます(合意解除)。
  • ④ 注文者一方による解除
    注文者は、リフォーム工事が不要になった場合、工事完成前に損害を賠償すれば、契約を解除できます(民法641条)。

契約の解除はケースに応じていろいろあります。どうしても契約を解除したい場合は、損害賠償等の問題が絡むこともあるので、必要に応じて早期に法律の専門家に相談しましょう。

<出典>
公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター
一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会
安心・快適住宅リフォームハンドブックP.34

2.外壁塗装工事の出来映えが悪い。業者とどのように交渉すればよいか。

6年前、築17年の木造2階建て住宅を購入しましたが、だんだん家が古くなってきたので、2か月前、近所のリフォーム業者に、屋根の修理と外壁塗装を依頼しました。
工事は1ヶ月ほどかかり、出来映えを見ると、外壁塗装にムラがあるうえ、アルミサッシや雨樋などにペンキの汚れがたくさんあり、納得がいかないので、塗装をやり直し、サッシや雨樋は交換してほしいです。
何度もリフォーム業者に電話をしても「あとで責任者から連絡する」と言われたまま連絡がなく、話し合いができません。今からでも契約解除をしたいのですが、どうしたらいいでしょうか。契約金額は130万円ですが、納得がいかないのでまだ全く払っていません。

防止策と対応法

外壁塗装工事の契約は通常請負契約として締結され、塗装業者は、約束したとおりの仕事を完成させる義務を負い、依頼主は、約束した報酬を払う義務を負います。
塗装工事を終えたにもかかわらず塗装ムラなどの不具合が残っている場合は、その点の補修や損害賠償を検討することになります。不具合のうち、契約上・社会通念上求められた品質・性能を欠くものを瑕疵といいますが、瑕疵に該当するか否かの判断は、最終的には裁判官の評価によって決まるものであり、注文者の納得で定まるものではありません。
塗装にムラがあり、アルミサッシ等に汚れがあるとのことですが、塗装のムラが瑕疵とされるかどうかは、かなり微妙な判断となる事柄です。
これに対して、塗装すべきでない箇所を汚したかどうかは、塗装の範囲を確認すれば比較的容易に判断できる事柄なので、汚れた部分の清掃代金相当額について損害賠償請求が可能であり、請負代金と相殺することも可能です。また、工事代金を支払わないままでいると、先方から支払督促などの法的措置をとられる可能性もありますので、なるべく早くリフォーム業者と話し合う方がよいでしょう。
その場合、交渉記録を残すべくメールやファクス、手紙などで連絡してみてはどうでしょうか。

<出典>
公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター
住まいるダイヤルHP 一部修正

3.屋根の防水工事を施工したが雨漏りが直らない。解約したい

屋根の防水工事をしてもらいましたが、5年経って結局雨漏りしました。そこで施工した事業者に「雨漏りを直してほしい」と伝えたところ、調査に訪れて再度施工し直しましたが、やはりすぐに雨漏りしました。
事業者から工事代金の請求がありましたが、雨漏りが完全に直ったのを確認してから支払いたいと申し出たところ、事業者はそれでは困ると言います。このような工事でも支払いは発生するのでしょうか。

対応方法

国民生活センターから事業者に問い合わせたところ、シート防水(※1)の施工は概ね済んでいるが、まだ工事が完了したわけではないとの回答がありました。しかし相談者に聞くと工事は既に終了と伝えられ、工事代金の支払いを請求されたとのことでした。
そこで、国民生活センターの住宅専門相談を委嘱している一級建築士に当該工事の施工資料を見てもらうと、今回施工されたのは事業者が説明したようなシート防水ではなくFRP防水(※2)であり、通常は全面施工しなければ効果がないが、写真で見るかぎり屋上の継ぎ目の目地部分のみに施工されており、FRP防水の施工が仕様通りなのか疑問であるとされました。
再度事業者に確認したところ、施工したのはシート防水ではなくFRP防水であること、また、FRP防水資材メーカーの施工仕様と事業者の施工方法が異なっており防水効果が得られないことも判明しました。
そこで、国民生活センターから事業者に、施工について原因の調査や説明が不十分であること、また施工した内容では効果がないことから当初の目的が達成されないことなどを主張し、結局全面解約となりました。

※1)シート防水

厚さ1.2mm~2.5mm程度のシート状に加工した合成ゴムやプラスチックを用いた防水シートで建物の屋上を覆う工法です。

※2)FRP防水

FRPとはガラス繊維などの強化材で補強したプラスチックのことで、船舶、水槽、バスタブ、波板、自動車、屋根材等として広く使われており、FRP防水はこのFRPの特性を防水に応用したものです。

ポイント

家の改修工事を行う際の注意点
家の改修工事を行う際は以下の点に注意しましょう。

  • 1.改修工事の際は工事のための調査内容、施工計画書、施工部材の仕様書等を求めて工事内容を把握しておきましょう。
  • 2.保証内容などについて確認しましょう。
  • 3.施工中の写真を撮っておきましょう。トラブルが発生したときの原因究明に役立ちます。
  • 4.住宅は複雑な工程を経て高度な技術により建築されるので、個人で欠陥住宅の防止に取り組むには限界があります。適宜建築士等、専門家に協力を依頼しましょう。
<出典>
独立行政法人 国民生活センター HP
http://www.kokusen.go.jp/jirei/data/200707_1.html

契約に関するリフォームトラブル:事例を元にトラブル予防

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