大掃除を効率よく進めるポイントのひとつは、適切な道具の確保です。洗剤、汚れを取るブラシなどは適材適所の物が販売されています。また、使いやすい工夫のある道具を使うと、効率が上がるばかりでなく、楽しく作業ができるという副産物もあります。掃除がしづらくて、困った場所については、インターネットなどで検索してみてはいかがでしょうか。

大掃除は普段動かさない家具を移動したり、押入の奥まで見通せるチャンスでもあります。家具の後ろの壁が結露していたりカビが生えていた－－そんなときは、掃除だけでなく結露を発生させない対策も必要です。
結露対策のポイントは、室内側に外気の影響を受けて冷やされた面をつくらないこと。そこに暖かい空気が触れて結露してしまうからです。もちろん、できるだけ水蒸気の発生を抑えることも基本的な注意事項。大掃除は住まいの点検の機会として活用しましょう。

掃除のプロの道具の中には必ずと言っていいほどこの１本があります。これは先端のブラシの部分がカーブしているのが大きな特長。シンクの排水口の奥、いろいろなフタの裏側、さらにシンクや洗面ボウルの曲線に加工されている部分サッシの溝やコーナー部など、ブラシがまっすぐだとうまく届かないところまで、このブラシを使えば掃除ができます。使い古しの歯ブラシを掃除用に確保している家庭は多いと思いますが、それと一緒にこのカーブしたブラシを持っていると便利です。

大掃除といえば12月で、気温の低い季節ですが、実は洗剤は、温度が低いと十分に性能が発揮できない物がほとんどです。掃除用の洗剤は20〜40℃くらいの水温がいちばん性能を発揮すると言われています。特にバイオ酵素洗剤は30℃くらいが適温。大掃除の前に、洗剤を容器ごとぬるま湯につけて、温度を高めにすると性能が発揮しやすくなります。
洗濯用の洗剤は、60℃以上でより効果を発揮するという調査もありますが、お湯の温度が高いと洗濯物を傷めてしまいます。また、お湯を沸かすエネルギーも余分に必要になります。洗濯用の洗剤も、高くても40℃くらいが適温でしょう。

大掃除は家族総出でという家庭が少なくありませんが、さらに数年に一度くらいの割合で、一部の場所にはプロのクリーニングを依頼すると、見違えるようにきれいになるだけでなく、その後の掃除が楽になります。

たとえば、キッチンまわりや浴室、外回りの排水枡などは、５年に１度くらいはプロのクリーニングを依頼しましょう。
キッチンではレンジフードを完全に分解して隅々まできれいにしてくれます。浴室では、ユニットバスの場合、カウンターやエプロン（浴槽の洗い場側の側面に取り付けた板）もはずして清掃します。また、排水枡は家の周囲にある数カ所の物をすべて高圧洗浄してくれますし、家の中から枡までの排水管内部も洗浄してくれます。ただしこれらのクリーニングは年末になればなるほど混雑するので、できるだけ早めに依頼しましょう。