新しい住まいについてイメージをしっかり持つ
- 皆さん、設計士として仕事をなさっているそうですが、具体的な仕事内容はどのようなものですか？
- 風間さん：当社の場合、営業がいませんので、設計士が最初から最後までお客様と一緒にお付き合いさせていただきます。設計の仕事と、他社さんで言うプランナーの仕事を一緒にしているような感じでしょうか。設計士が最後までお客様に寄り添うというスタイルです。
- 普段、お客様に接する際にどのようなことを心掛けていますか？
- 風間さん：基本はやはりお客様のお話をじっくり伺うことですね。なかなか心の中にあることを言葉で表現するのは難しい。ですから、そこをこちらで読み取ってあげないといけない。それから、特に2世帯住宅の場合などは世帯ごとに一人ずつ、別々に機会を作って、本音を話してもらえるようにします。仲が悪いという意味ではなく、お互いに気を使ってしまって言いたいことが言えない場合もありますから。そうやって話を聞いていると、たとえば「私はこの家に来て15年間ずっと義父の介護をしてきたのです」というようなことを打ち明けられたりする。そういう事情を知って設計するのと知らないで設計するのとでは、全く違ったものになると思うのです。
- 三宮さん：私は、なるべくこちらの意見を押し付けないようにしています。説明はしますが、最後はお客様の判断に任せます。
- 内田さん：私はリフォームしようと思ったきっかけについて詳しくお話を聞くようにしています。お客様が“こうしたい”と言う結論を聞くだけでは分からない背景を知ることで、より良い提案が出来るからです。
- これからリフォームする方にアドバイスをお願いします。
- 風間さん：自分でどういうものが好きなのか分かっていないという人も多いと思うのです。そういう人は、街を歩いていて“これはいいな”と思うものを写真に撮るのもいいのではないでしょうか。住宅というのは毎日使うものです。ちょっとした好みのズレも日に日に大きく感じられてきたりする。ですから、自分がどんな家を好んでいるのか正確に把握してリフォームに臨むべきでしょうね。
- 三宮さん：やりたいことにプライオリティをつけるということも大事です。予算は限られているのですから、その中で全ての希望を実現しようとすると、全体が中途半端になってしまいがち。新築と違ってリフォームは何をやって何をやらないか、どこまで変えるかを選択出来ることもメリットなのだということを認識しておいたほうがいいでしょう。とにかく遠慮しないで、なんでも言ってください。ただし、ある段階からはこちらに任せていただきたいですね。お客様は部分部分を見ていますが、私たちは専門家として全体を把握しています。ぜひ信頼して、私たちを頼りにしてください！
- 内田さん：どんな家にしたいのか、イメージをしっかり持ってほしいですね。そして雑誌の切り抜きなど、自分のイメージに合うものを取っておいてください。そういったちょっとしたものがイメージを伝えるときには言葉より大きな力になるものです。
ご紹介
古閑 之博さん
こが ゆきひろ●株式会社三友工務店 代表取締役社長。一級建築士。住宅ローンアドバイザー。創業60年「三友工務店さんなら間違いないはずだから」という地元のお客様の信頼に応えるべく、進化し続ける工務店を目指す。
風間 滋さん
かざま しげる●設計部設計担当。一級建築士。大学の建築学科を卒業後、設計一筋。常に「お客様がその家でどんな生活を楽しみたいか？」という事をベースにプランを考えていく。穏やかな笑顔と優しい話しぶりとは裏腹に、決して設計を諦めない強い信念を持つ。
三宮 健司さん
さんのみや けんじ●設計部設計担当。一級建築士。大学院卒業後、設計事務所勤務を経て現職。設計を始めた頃は、デザインが良いことが一番と考えていたが、次第に人が幸せになる住宅というものを考え始める。風水や色彩、素材がもつ影響力など、気持ち良くなることや物をとり入れた設計も提案する。
内田 智子さん
うちだ ともこ●設計部設計担当。一級建築士。小さい頃から建物・インテリアに興味があり、迷わず建築の世界へ。大学の建築学科を卒業後、設計事務所を経て現職。それぞれの生活スタイルや習慣・好みを反映した設計でお客様に分かりやすい提案を心掛けている。
