地元・神戸に根差す総合建設会社として、お客様の住宅の将来を見据えた新しいリノベーションや中古住宅の瑕疵保険の取り扱いなど、先進的に取り組んでいる事業について伺った。
※取材当時（2020年12月）の社名は「株式会社谷工務店」
「良い住まい」の条件とは、「安心して幸せに暮らせる家」
- これからリフォームされる方に向けて、リフォームする際に大切にしてほしいことは何か、アドバイスをいただけますか？
- 谷さん：複数の事業者にリフォーム相談をした場合、様々な見積りと提案書が出てくると思います。もちろん重要なのは費用と提案内容のバランスだと思いますが、決して安いだけが良いリフォームとは限りません。高額なリフォームほど見積りの内訳が多くなりますので、それを全て判断するのは大変だと思いますが、見積りの一つひとつの項目に一番大切な記載が含まれていますので説明を是非聞いてください。逆に、見積書の内容でしか比較はできません。我々は丁寧にきちんと説明することに力を入れています。見積り内訳の中「金額の違いは何か？」 「その提案は何なのか？」「このリフォームで必要なのか？」ということまで追求してください。高いと思われる内容には、お客様のためを思った提案がある場合ありますので、その内容を含めて総合的に判断していただくことが重要だと思います。
- これまで携わってこられて、一番印象に残っているリフォーム事例やエピソードをお聞かせください。
- 谷さん：谷工務店でリノベーション事業を始めた初期のころ、中古住宅を購入してリノベーションをされたお客様の案件が印象に残っています。ご主人がとても身長が高いこともあり、普通のお風呂では、バスタブに膝を伸ばして入ることができない悩みがありました。建売では無理で新築では高額になり、既製品ではサイズがなく悩んでおられました。また、奥様もお子様と一緒に料理ができるカフェのようなお家にしたいというご希望がありました。ご予算もありましたので、全てオーダーメードにするわけにはいきませんでしたが、お客様と打合せを何回も行い、費用の軽減が必要なところはお客様でできるDIYを利用することで一緒に作り上げていきました。この事例は弊社のリノベーションに対する考え方の基礎になりました。お客様にとっては、リフォーム後に長く住まわれるわけですので、自分がDIYで作り上げた箇所には思い入れもあり、満足度の高いリフォームになったとのことで、とても有意義な成功事例だったと思います。
- 住まいづくりのプロから見た、「良い住まい」の条件を教えてください。
- 谷さん：私自身も中古住宅を購入してリノベーションをしました。2×4（ツーバイフォー） ※3の住宅で、間取りの変更をするにあたって、一部の壁を撤去しましたが、問題ないとわかってはいても耐震性に影響してしまうのではないか？という疑問は最後まで残りました。特に神戸では阪神・淡路大震災の記憶が根強いですので、住宅の基本構造や耐震性を大事にして、初めてデザイン性やライフスタイルを生かした家づくりを計画することができると思います。私の考える「良い住まい」条件とは、安全性が担保できる構造になっていて「安心して幸せに暮らせる家」ということだと思います。
- ※3.ツーバイフォー工法＝木造建築の工法で「木造枠組壁工法」のひとつ。家を建てるときに使用される角材のサイズが「2インチ×4インチ」であるため、この名称になった。
- この取材は新型コロナウィルス感染拡大防止のため、オンラインで実施しました。
