外壁リフォームの適正価格は?
トイレやユニットバスなど、水回り設備を交換するリフォームであれば価格は比較的明快です。複数の見積りをとって比べることもそれほど難しくありません。新たな設備の代金に古いものの撤去・廃棄費用、新しい設備の取り付け工事費、その他経費、といったところが見積り項目だからです。
これに比べて、外壁塗装のリフォーム費用は項目も多く、また塗料の種類や金額などは普段の生活の中でなじみがなく見当が付きません。実際、外壁をそろそろ塗り替えたいと思って相見積もりを取ったが、あまりにも値段がかけ離れていてどの会社にしたらいいかわからない、という声をよく聞きます。
外壁リフォームの価格を構成するものは何か
モルタル吹き付け壁やサイディング(金属系,窯業系、木製)などの外壁は、一般的に10年~15年程度で塗り替えが必要になります(サイディング壁のコーキングは、それに先んじて打ち増しや、やり直しが必要です)。外壁リフォーム(塗り直し)の見積もりには、次のような項目が含まれています。
まず2階建て以上の場合は「足場代」です。さらに「養生(マスキング)」、「下地の洗浄」費用が計上されます。コーキングがある場合は、そのやり直し費用もかかります。その上で「下塗り」「中塗り」「上塗り」という塗装費用がかかります。下塗りをして、その上から二度塗装するのが一般的です。しかしその手間は同じでも、使用する塗料の種類(グレード)によって、金額は大きく異なります。
さらに「その他塗装」(外壁以外の軒裏、雨戸、バルコニーの鉄部などの塗装)、「清掃・その他諸経費」などが計上されます。この項目の多さが見積もりを複雑にする理由です。
外壁リフォームに使用する塗料で異なる価格
外壁用の塗料として使われるのは、価格の安い順に次の4種類です。
まず[アクリル系塗料]。
光沢もあり、色落ちも少なめですが、外壁で使用するには耐久性に劣り、耐久年数は6~8年程度です。価格は安いのですが、短い間隔で再塗装しなければならず、長期的に見れば決して経済的ではありません。
次は[ウレタン系塗料]。
もっとも一般的な屋根・外壁塗料です。密着性にすぐれ、比較的汚れや色褪せにも強く、耐久年数は8~10年程度です。価格面でも手頃です。木部との相性がよく、鋼材、アルミ、モルタルにも塗装できます。
次に[シリコン系塗料]。
装膜の表面がガラス質になるので光沢があります。汚れや色落ちに強く、耐久性・防カビ性なども備えており高機能です。防水性、防汚性も高く、耐久年数も10~15年と長めです。そのため費用面から頻繁な塗り直しを嫌うマンションの外壁などでも使われています。
そして、最も高価なもので、ビルなどで多く使われている塗料に[フッ素系塗料]があります。
耐久年数は15~20年と長く、仕上がりも光沢があり高級感があります。
外壁リフォーム価格の安い、高いの判断は?
足場、養生、諸経費などは比較も簡単であり、どの程度が適正かも判断しやすい項目です。
しかし、価格の大きな構成要素である使用塗料については、判断に悩みます。どのくらいの耐久性を求めるのか、今後の住まいの維持管理計画の中で考えましょう。
10年以内に建て替える可能性が高いという場合には、特に耐久性の高い塗料を選ぶ必要はありません。また、その土地に住んできた経験から、一般より高い耐久性が求められるのか、あるいは逆に、条件がよく、塗装を長持ちさせることができるのか、その点も判断しましょう。
見積り依頼をする工事業者に、現在の塗装についての評価を求めてみることも、塗料選びの目安になるでしょう。説明の内容で業者の信頼度を測ることもできます。
依頼先候補の業者については、どういう外壁リフォームの実績があり評判はどうか、情報を集めることも大切です。もし近所に施工現場があるなら、一度見せてもらうことも検討しましょう。
なお、リフォームの裏ワザにも「File No.6 屋根・外壁リフォーム」について掲載しておりますので、併せてご覧ください。
*全国の登録事業者が表示されますので、お住まいのエリアに絞って検索ください。