外壁・屋根のリフォーム手法はいろいろあります
今リフォームを検討する人の屋根材の多くは瓦、または化粧スレート(いわゆるコロニアルやカラーベスト)ではないでしょうか。また、外壁は、モルタル吹き付けか窯業系のサイディングが多いと思います。これらは、高度経済成長期以降の多くの住宅で採用されてきた材料です。しかし、さまざまな技術開発が進み、それぞれがより高性能化すると同時に、金属系のものを中心に新たな材料も登場しました。外壁・屋根リフォームにあたっては、どういう素材を使うのか、そこから検討が始まります。
屋根リフォームで使う屋根材の特徴と選び方
屋根材には大きく分けて4種類があります。伝統的な粘土瓦(陶器瓦)、セメントを主材料に瓦型に成形して塗装したセメント瓦、さまざまな繊維素材を混ぜて平たく成型し塗装した化粧スレート、そして鉄板にアルミと亜鉛で溶融メッキ加工したガルバリウム鋼板です。デザインやメンテナンス性、耐震性への影響度、コストなどいろいろな視点から検討して選びましょう。
メンテナンスの手間が最もかからないのが、粘土瓦(釉薬瓦)です。日本でも古くから使われ、独特の重厚感、落ち着きがあります。30年程度であれば、メンテナンスフリーです。重量があることから、地震の際に揺れが大きくなりやすく耐震上不利といわれてきましたが、近年は大幅な軽量化が進んでいます。ガルバリウム鋼板は非常に軽いことから、建物の耐震性を確保しやすい材料です。
壁リフォームで使われる外壁素材は主に4種
外壁の仕上げ材は、セメントや砂を主原料としたモルタルを塗り、上からリシンなどを吹きつけて仕上げるモルタル吹き付けが主流です。他にセメントや珪酸カルシウムなどを主原料として熱を加えて成型した窯業系サイディング、ガルバリウム鋼板やアルミニウム鋼板などを成型した金属サイディング、さらにタイルなどがあります。
モルタルをベースに、吹き付けや手塗り仕上げを施すモルタル壁が現在も多く使われています。湿式の工法であることから、表面のひび割れなどが発生しやすく、それに対するメンテナンスが必要です。サイディングはデザインが非常に豊富になっており使いやすい材料ですが、コーキングのメンテナンスが欠かせません。タイルは耐候性が非常に高く、30年40年とまったく変わらない表情を維持します。ただし、大判で重量のあるものは構造体への負担も大きく、また大きな地震などに際しては、剥落の心配もあります。
雨樋、雨水枡も定期的にチェック
屋根や外壁と並んで、建物を守る大きな役割を果たしているのが雨樋です。もしこれがなければ、屋根から建物の足下に雨水が滴り落ちて基礎部分を濡らし、建物を支える土台や柱の下部を腐らせる原因になります。屋根に落ちた水を、建物を濡らすことなく排水することは、雨樋と雨水枡(うすいます)が担う重要な役割です。
この雨水の排水ルートがしっかり機能するように、定期的に点検しましょう。かなり強めに雨が降ったときに、雨樋の途中から水滴が滴り落ちていないか確認します。雨樋が木の葉などで詰まっていると、水がせき止められ、雨樋からあふれるように外にこぼれてしまうのです。また、雨水枡は建物の周囲に数箇所設けられています。雨水をいったん集め、最後に一つにまとめて下水に流します。3年から5年に1度くらいは蓋を開けて中をチェックしましょう。土や砂が入り込んでいたりゴミが溜まっていたりすると、水があふれてしまうことがあるので、掃除をしておきましょう。
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