和式から洋式へ~進化しつづけるトイレ~
最近では駅や公共施設、店舗でも洋式トイレを採用するところが増え、例えば4つのブースがあれば、3つを洋式に1つは和式にするところが多くなりました。洋式を基本に、和式も確保しておくというのが、設計の基本になっています。
従来は、住宅、ホテルといったプライベートな空間では洋式、パブリックな空間では和式という区別がありましたが、現在は洋式が基本です。姿勢がラクで体への負担が少ないことがその大きな理由になっています。
敬遠されるようになった和式トイレ
和式トイレが公共空間で残されてきたのは、「見ず知らずの人と同じ便座に座りたくない」という声が昔は多かったからです。その“清潔感”が、和式を支持していたのですが、だんだん“楽な姿勢”の方に軍配が上がっているようです。
内閣府の消費動向調査によれば温水洗浄暖房便座の普及率は81.2%(2016年3月発表)となっており、ほとんどの家庭が、洋式の快適なトイレを利用しています。外出時にも同様の快適さを求めたいという人が増えることによって、「洋式メイン、和式はサブ」という考え方が浸透してきたのでしょう。
実際、洋式トイレの最大のメリットは、体がラクだということです。無理がない姿勢なので、トイレ内の時間を、ゆっくりと過ごせます。足腰に痛みや弱さのある高齢者、妊娠中の女性などは、特に安心して使用できます。最近では、洋式であることを活かして、温水洗浄便座が設置されているところも多く、今後もさらに普及が進んでいくとみられます。
和式にメリットを感じる人もあるが
もっとも、少数派になったとはいえ、今でも和式を好む人もおり、確かにメリットといえることもあります。まず、便座に直接座ることがないので清潔感があること。
また、しゃがむ姿勢はおなかに力を入れやすいことから排泄がしやすいということもあります。排泄物が見えるのも、健康チェックには利点でしょう。便器の形状がシンプルなので、掃除がしやすいということもメリットの一つです。
反面、やはりしゃがむ姿勢を辛いと感じる人は多く、誰もがラクにトイレが利用できるユニバーサルなデザインは、洋式便器ということになります。排泄による便器の汚れが少ない点、洗浄水が節約できる点も洋式の大きなメリットであり、便座の交換だけで、温水洗浄や暖房便座機能が備えられるのも洋式便器ならではです。
ここまで進化!温水洗浄暖房便座の最新機能
家庭での普及率が80%を超えた温水洗浄機能付きの暖房便座は、現在もさまざまな機能がプラスされ、快適さを増しています。節水機能は効率的な水流の開発でさらに向上、大一回の洗浄あたり4リットル~5リットル程度にまで減っています。10年以上前は10リットル近くを使っており、6割の節水が自動的にできる計算です。
洗浄機能を担うノズルも自動洗浄機能が付き、より清潔になりました。毎日の清掃の負担を減らすために、凹凸や隙間のないデザインが工夫され、今まで手の届かなかったところまで清掃できるようにしたものもあります。脱臭機能や水はねを防ぐための工夫など、これまでにないアイデアも盛り込まれています。
センサーやタイマーを駆使した節電機能も搭載され、省エネへの配慮も進んでいます。
*全国の登録事業者が表示されますので、お住まいのエリアに絞って検索ください。