最新トイレの機能はどのようなものがある?
少しでも掃除の手間を減らしたい、快適に使いたいといった消費者の要求に応え続けた結果、日本のトイレは世界的に見ても高い性能を誇る製品へと進化してきました。現在も各メーカーがしのぎを削ってそれぞれの特徴を磨き、より良い製品へとブラッシュアップを続けています。また、便器の進化により空間全体のとらえ方も変化。今やトイレではなく個室であり、インテリアにも妥協のない空間づくりが進んでいます。
自動化や素材の進化で省力化が進む
日本は清潔に関して敏感な国であり、その一端はトイレに見ることができます。洋式便座が取り入れられ始めたのは1960年代のこと。各メーカーが競って技術革新を進め、掃除が簡単な形状やシステムを生み出し、汚れがつきにくい便器、汚れや菌を分解する技術といった、高い性能を持つ製品が続々と開発されてきました。また、今や世界中で大人気の温水洗浄便座も日本が率先して開発し、普及させてきたものです。
トレンドはやはりきれいで、臭わず、節水・節電性能を高める省エネの3つといえます。特徴的なのは、人の手をわずらわせる場面が減り、かなり自動化が進んできている点。清掃性については水拭きや少しこすっただけで十分きれいになるレベルまで、素材やさまざまな技術が進化しています。超親水で汚れ自体を浮かす機能を備えた陶器も2016年に発表されました。除菌水や家庭用洗剤で自動的に便器を洗う機能つきの製品もあります。こうしたメーカーの努力で、これまでマイナスイメージのあったトイレの清掃も、かなり簡単に済ませられるようになりました。節水や節電についても、まだまだ削減できる可能性はあります。
高性能化が進むトイレですが、それは今後も続く傾向といえます。いずれはほとんど自動で済み、家事がもっと楽になる時代が来るかもしれません。
空間全体の機能性も求める傾向に
便器の性能が飛躍的に向上するとともに、トイレ空間全体の快適性や機能性も追求されるようにもなってきました。日本の古い家では、トイレは1階北側の暗い場所、居室とは離れた所にあることが一般的でした。しかし最近は便器が美しく保てるだけではなく、採光を考えた窓を作るなど、空間全体が明るくきれいなトイレが増え、マイナスイメージは減っています。そのため、これまでは家の端など、遠い所に置かれていたトイレと生活空間との距離も縮まってきました。例えば寝室の近くサニタリーを配置するなど、トイレまでの動線を意識した家づくりやリフォームが増えているのです。浴室と洗面室、トイレの水まわり設備を1つの空間に配置するスリー・イン・ワンも、機能的で開放感があり人気のスタイル。将来、シニア世代になったときの使い勝手も考えると、こうした傾向はメリットが大きいといえます。
さらに、省スペースでも必要なものが収納できるシステム製品の進化や、DIYの流行などもあり、スペースを有効活用する意識が浸透してきました。ものがあってもすっきり整理されており、見た目にも美しい空間であることが今の時代のトイレに求められています。
トイレも1つの部屋と考える時代
現在は、トイレを部屋のような感覚でとらえている人も増えてきました。これには洋式便器の普及や、便器や周辺素材の進化が大きく影響しています。おしゃれな照明を吊るし、雑貨をセンス良く飾るなどインテリアにこだわり、カラフルな壁紙やタイル、ナチュラルな木材などの壁材、床材で覆われたトイレ空間は、かつてのトイレのイメージを一新するものです。インターネットの普及で海外のおしゃれにコーディネートされたトイレのイメージも探しやすくなり、参考にする人も多いようです。また、集中しやすい環境なので、本棚を設置して読書をするなど、トイレでの時間を有意義に過ごす人が増えているのも、トイレが部屋の一種として認識されている証でしょう。
トイレ空間は狭い場所だからこそ、個性を出すリフォームが可能です。便器の交換や床材の張り替えといった工事は業者におまかせする部分ですが、壁紙の張り替えや壁の塗り替え、飾り棚を作るといったことはDIYで楽しめる部分。簡単なところではウォールステッカーを貼るだけでも雰囲気を変えることができます。「プライベートな空間だからこそ、こだわりをつめこもう」という気持ちでチャレンジし、より理想の個室を追求してみるのも良いかもしれません。
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