リノベーションをしようと考え始めた切掛けは、お子様家族やお孫さん達も増えてみんなが集まった時に居心地がよい空間だったらいいなと思われたそうです。以前はリビング・ダイニング・キッチンがそれぞれ分かれた部屋でしたので、キッチンで調理している時などは家族との触れ合いを感じられず寂しい空間でした。

ご提案として構造的な部分をクリアにして筋かいを現す事でLDK空間を一体としています。対面キッチンによって、みんなで調理や片付けが出来て明るいキッチンとなりました。

今回の計画にあたり、廊下の暗さは造作TV台の上部にガラスをはめ込み自然光を通しました。１階の寝室からトイレが遠かった為、階段下ですがトイレを移動して動線を見直す事で生活しやすい住まいになりました。

中古住宅を購入する前にインスペクションを実施し、築年数は経過していましたが建物的に大きな損傷や劣化は見当たりませんでした。ただ、南側に隣家がある事で１階に普通には採光が得にくい状態でした。

１階リビング吹き抜け案と２階リビング案と同時に計画し、若いご夫婦という面や近隣周囲の開放性などから２階リビング案となりました。

２階部分の方が構造的な負担が少ない為、リノベーションは行いやすいのですがお施主様は勾配の天井まで希望されていました。屋根勾配なりに天井を組み、隠れていた既存の小屋梁を現します。勾配天井のおかげで、既存の小屋裏収納とリビングをつなげる事が出来ました。柱を抜いた部分には小屋梁の下端に枕梁を設置します。新旧の構造材の色の違いはありますが、経年変化によってなじむ事でしょう。

ご夫婦だけのマンションリノベです。バルコニー側は間仕切り壁によって部屋が二つに仕切られていて、ベッドルームに変化したスペースは和室でした。ご夫婦だけの空間ですので、リノベーションによってLDKと寝室の空間を一体として障子で仕切れる程度にしています。床は遮音の関係でカーペットになっています。

TV台・キッチンカウンター・下足入など造り付けの家具が目を引きますが、住む方の身長・ライフスタイルやお持ちの小物などをヒアリングの上、デザインをご提案させて頂いております。また、建具・枠材・天井板・間接照明・バルコニーデッキなど杉・桧で統一する事により上質な空間となり、木のぬくもりを感じていただけます。