見映えを考えたカースペースの作り方
道路に面しており、広い面積を占めるカースペースは、前庭や玄関アプローチと並んで外構の印象を大きく左右する要素といえます。車の出し入れのしやすさやメンテナンス性とともに、美観についても気を配りたいもの。上手に演出すれば、庭と駐車場が一体化した魅力的な空間を作ることができます。カースペースをリフォームする際に、美しい景観を生み出す手法について考えてみましょう。
開放感と保護機能はトレードオフの関係
自宅の敷地内に設けるカースペースは、屋根なしの「オープンタイプ」、簡易な屋根を設ける「カーポート」、独立した屋根と壁がある「ガレージ」、家の中に駐車場を組み込む「ビルトインガレージ」の4つに大別できます。
最も明るく広々とした印象なのが、オープンタイプ。建ぺい率を気にしなくて良いので、造りやすいカースペースといえます。その反面、雨風や盗難から車を保護する機能はいちばん低いので、車が好きで大事にしたい人にとってはもの足りないかもしれません。
カーポートはメーカーからさまざまなタイプが発売されているので、選択肢が豊富。屋根を支える形式は、支柱が片側だけにあるものと、両側の支柱で支えるものがあります。どちらも開放的な雰囲気ですが、両側支持の方が安定感のあるデザインといえるでしょう。屋根の材質はポリカーボネートやアルミ形材、スチール折板、FRPがあり、それぞれ印象が異なるので必要な性能と好みで選びましょう。
ガレージはスチール製が一般的ですが、木製もあります。シャッターも含めてさまざまなデザインのものがあるので、家や外構の雰囲気に合うものを選ぶと良いでしょう。
装飾性の高いレンガや枕木をアクセントに
カースペースは、駐車する向きや道路との関係などによって多少前後しますが、車1台分でおおよそ15㎡程度と、それなりに広い面積を要します。そのため、余裕があれば庭の要素を取り入れるのがおすすめ。車専用の無味乾燥なスペースにしておくよりもはるかに外構が美しく仕上がります。特に、オープンタイプとカーポートは、舗装方法(地面の仕上げ)によって見た目の印象が大きく変化。一般的な砂利、アスファルト、コンクリートの3つを比較すると、最も安価なのが砂利で、最も高価なのがコンクリートとなっています。
舗装に使う素材は、砂利、アスファルト、コンクリートのほか、装飾性が高いものとして石板やレンガ、枕木、インターロッキングブロックなどがあります。これらをコンクリートと組み合わせてアクセント的に使うと、コストを抑えながら素敵な景観を造ることが可能。例えばコンクリート舗装をいくつかに分割して、隙間にレンガのラインを入れるだけでもデザイン性がアップするでしょう。タイヤが踏む部分は石板や枕木を敷き、それ以外を芝生などの植物で演出する方法もあります。
気をつけたいのは、車をとめていると「隠れる部分」と、車をとめていても「見える部分」のバランス。平日は車を使わないなど、駐車している時間が長いのであれば見えない部分はシンプルに仕上げてコストを圧縮し、その分、見える部分に凝ってみるのも良いでしょう。
植物を加えることで潤いがアップ
カースペースの演出で効果が大きいのが、植物をプラスすること。少しでも緑を加えることで、味気ないカースペースにみずみずしい潤いが加わります。コンクリート舗装を分割して草目地を入れる方法は、その代表例。目地に植え込む植物は、悪条件に強いタマリュウやリピアがおすすめです。
草目地よりも広い面積をグリーンで覆いたいなら、緑化ブロックがおすすめです。これは、コンクリート製のブロックを規則正しく並べ、その間に芝やタマリュウなどの植物を植えたもの。タイヤの荷重はコンクリートが受け止めるので、車が乗り入れても植物は踏み圧によるダメージは受けません。複雑な形状をした緑化専用のブロックやパネルも製品化されています。
カースペースの奥や脇には、樹木を植えても良いでしょう。アオダモやシロモジのように下枝が少なくすらりとした樹形の雑木なら、狭いスペースで葉が茂っても人や車の出入りを邪魔せず、心地良い風景を作ってくれます。ただし、季節によって葉や実が落ちるというデメリットもあるので、導入の前によく検討しましょう。
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