既存住宅における断熱リフォーム支援事業を利用してお得に施工しましょう!
環境意識の高まりに伴い、省エネ住宅が注目されています。
省エネ住宅とは、生活の中で消費するエネルギーを抑えることを目的に対策を施した住宅です。
エネルギーの消費を抑えられることは光熱費の節約に繋がりますし、省エネ住宅をマクロな視点で語るなら、CO2排出を削減し、地球温暖化の抑制に寄与することができますので、近年注目されているSDGsに積極的に取り組んでいる住まいだと言えるのではないでしょうか。
熱を逃がさない断熱対策と、熱を侵入させない日射遮蔽対策を実施することが省エネ住宅の第一歩です。
本記事では、熱を逃がさない断熱対策に焦点を当て、断熱リフォーム支援事業について詳しくご説明いたします。
補助対象となるリフォーム内容を確認し、制度の活用をぜひご検討ください。
断熱リフォーム支援事業について
環境省が経済産業省および国土交通省と連携して、二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金制度(既存住宅における断熱リフォーム支援事業)を実施しています。
事業につきましての詳細は、こちらをご覧ください。
この事業では、全国の既存の住宅においてCO2関連投資におけるエネルギー消費効率の改善、ならびに低炭素化を総合的に促進することを目的に、高性能建材を使用する断熱リフォームを支援しています。
戸建住宅においては、この断熱改修と同時に行う高性能な家庭用設備 (家庭用蓄電システム・家庭用蓄熱設備)・熱交換型換気設備等の導入・改修支援、集合住宅(個別)においては、熱交換型換気設備等の導入・改修支援も行われます。
公募スケジュールについて
令和3年度は、四次公募の公募期間が令和3年12月27日(月)~令和4年2月28日(月)17時までとなります。
概要はパンフレット「令和3年度 既存住宅の断熱リフォーム支援補助金について」をご確認ください。
補助金について
補助金の交付を受けられる人、補助対象となる住宅、製品、補助額(上限額)について確認しましょう。
住宅区分 | 戸建住宅 | 集合住宅 | |
---|---|---|---|
個別 | 全体 | ||
補助対象者 | 個人所有 | 管理組合の代表者 | |
補助対象製品 | 高性能建材(断熱材・窓・ガラス) | ||
+ | + | ||
家庭用蓄電システム 家庭用畜熱設備 熱交換型換気設備等 |
熱交換型換気設備等 | ― | |
補助率 | 補助対象経費の1/3以内 | ||
補助金額 (上限額) |
1住戸あたり120万円 家庭用蓄電システム:20万円 家庭用畜熱設備:5万円 熱交換型換気設備等:5万円 |
1住戸あたり15万円 熱交換型換気設備等:5万円 |
1住戸あたり15万円 |
いずれの場合も、省エネ効果(15%以上)が見込まれる回収率を満たす高性能建材(断熱材、窓、ガラス)を用いた既存住宅の断熱リフォーム事業が対象となります。
補助の対象となる「住宅」とは、「常時居住する住宅」を指し、仮住まいなどは対象外です。また、店舗や事務所として利用する場合も対象外となりますので注意しましょう。
なお、四次公募より賃貸物件も対象となりました。
集合住宅において管理組合の代表者が申請を行う場合は、集合住宅の全戸を改修することが条件であり、改修については管理組合総会等で承認決議を得ていなければなりません。
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住宅に使用する断熱材について
最近では、さまざまな部材等において断熱の言葉を目にする機会が多くなっています。
断熱とは、言葉のとおり熱そのものを断ってしまうことです。
住宅における断熱とは、外気温の影響を和らげて健康的で快適な環境を手に入れることを目指しています。
住宅は、その性質上において完全密閉されているわけではありません。ドアや窓は、屋外と屋内を開放することで外気を取り込みますし、また、外壁では雨風等を防ぐことはできますが熱そのものは屋内へと伝わりますし、一方で、屋内の熱は外壁等を通じて屋外へ放出しています。
熱を遮断しないと、冬は「外が寒いから家の中も寒い」となり、夏は「外が暑いから家の中も暑い」となります。まさに、屋外の気温に大きく影響されてしまうのです。
そこで、住宅において断熱性の効果が期待できる窓および断熱材を使用することで、住宅そのものの断熱性能を高めることが可能となります。
季節や屋外の気温の影響を受けにくくなり、室内の温度を最適に保つことができるのです。
断熱材を利用することのメリット
断熱材を採用することによる具体的なメリットは次のとおりです。
省エネ化
高断熱の効果が期待できる住宅の最大のメリットは、何と言っても1年間を通して快適な環境を住宅内に構築できることです。冬場においては、屋外の冷気を遮断することによって住宅内は暖かさを保つことができます。また、夏場においては屋外の熱気を遮断することによって住宅内は涼しさを保つことができます。住宅内における気温を一定に保つことによって冷暖房の使用頻度を少なくすることができますので光熱費を軽減させる効果が期待できます。
近年では猛暑日となる日数が増加傾向にあり、総務省の報道資料によると2021(令和3)年8月の全国における熱中症による救急搬送人員は 17,579 人であり、内数として住居内で熱中症になった人は7,170人に上り全体の40.8%となっています。そのことから、住宅内においても冷房を使用して適切な熱中症対策を講じることが極めて大切であると言えます。高断熱の効果が期待できる製品を採用することによって、夏場でも住宅内の気温を涼しくしやすい環境にすることができます。涼しくなりやすい環境下にありますので、必然的に冷房を使用する期間および時間を減少させることが可能なのです。屋外へと冷気が放出されにくくなっていますので、高効率で冷房を使用することができ、冷房の使用頻度を減少させることによって省エネ化にもつながります。
ヒートショックへの対応
ヒートショックとは、気温の変化に伴って血圧が上下することにより心臓および血管の疾患を引き起こすことです。血圧が急激に上下することによって、脳内出血・大動脈解離・心筋梗塞・脳梗塞などが発症しやすいとされています。
ヒートショックは、冬場において顕著にみられる現象です。厚生労働省の「人口動態調査」 によると、高齢者の「不慮の溺死及び溺水」による死亡者数および家や居住施設の浴槽における溺水による死亡者数は高い水準で推移しています。この水準は、2011(平成23)年以降における「交通事故」による死亡者数より多くなっているのです。2019(令和元)年の家及び居住施設の浴槽における死亡者数は 4,900 人となっており、これらの内数においてはヒートショックを原因として引き起こされているといった事象もあるとの見解を示しています。
ヒートショックによる被害が後を絶ちませんが、それらの事象を未然に防ぐためにも断熱性能を高めた住宅内の温度変化が少ない環境は非常に効果的であると言えるでしょう。
結露を防ぐ断熱と防湿
室内の温度差は、家族の健康だけではなく、住宅そのものにも悪影響をもたらします。その原因は結露です。住宅内で温度差ができると壁の内部で結露が起こり、カビを発生させ、家を腐らせてしまうのです。これは「内部結露」と呼ばれるものですが、しっかりとした断熱施工と、住宅内部の水蒸気を壁の内側に侵入させないための防湿施工で防げます。結露からくる家の構造体の腐食を防ぎ、住宅の耐久性を高めるためにも断熱性の高さと防湿施工は非常に重要なのです。
補助対象の断熱リフォーム工事について
断熱リフォーム支援事業制度を利用することで、最大120万円の補助額を受け取ることができます。
補助の対象となる工事は、外壁・屋根などの断熱材や、ガラスや窓に高性能建材を用いた一定の省エネ効果(15%以上)が見込まれる断熱改修工事となります。
どのようなリフォームが補助金の対象になるのか例を挙げますので参考にしてください。
窓断熱
「内窓を設置し二重窓にする」、「既存の窓ガラスを複層ガラスに交換する」などの工事を行います。
窓断熱は、断熱リフォームの中でも効果を感じやすい箇所といわれます。
外壁断熱
外壁に断熱材を入れる工事を行います。冬は室内の熱の流出を、夏は屋外からの熱の流入を防ぎます。この工事によって、冷暖房効果が高まります。
天井断熱
天井裏に断熱材を敷き詰める工事を行います。
冬は室内の熱が逃げるのを抑え、夏は天井から室内に熱が入るのを防ぎます。
床断熱
床下に断熱材や気流止めを設置する工事を行います。
冬の底冷えを防ぎます。
断熱リフォームで使用する高性能建材製品(断熱材、窓、ガラス)にはいろいろな種類がありますが、補助金の対象となる製品は公益財団法人北海道環境財団のホームページで公開されているものとなりますので、断熱リフォームをお考えの際は、2021年度の断熱リフォーム支援事業執行団体である「公益財団法人北海道環境財団」の補助対象製品一覧をご確認ください。
まとめ
断熱材を使用することは、地球にやさしい住宅仕様を整え、光熱費を節約し快適な住まいを作ることに繋がるでしょう。
本記事でご紹介した支援制度にご興味を持っていただけましたら、ぜひ、最新情報をご確認ください。
なお、公募最新情報は、2021年度の断熱リフォーム支援事業執行団体である「公益財団法人北海道環境財団」のホームページをご確認ください。
*全国の登録事業者が表示されますので、お住まいのエリアに絞って検索ください。
(2021年12月2日掲載/2022年1月4日更新)
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