
補助金
更新日:2025年07月02日
【今年が狙い目⁉】 「補助金」を活用して賢く熱中症対策リフォームを! NEW
掲載日:2025年7月2日

今年の梅雨は、なんだかあっという間に終わってしまい、例年なら「雨ばかりでジメジメして嫌だな〜」なんて言っているはずなのに、今年は6月から太陽がギラギラ照り付け、身体が茹で上がるような猛暑日が続いています。
窓を開けても生温かい風が入ってくるだけで涼しくないですし、むしろ窓を開けない方がマシなくらい。そうなると、気になるのが「家の中での熱中症」。
外で汗をかいている分には「暑い!」と認識できますが、家の中では、暑いと認識しづらいことがあります。実は、ここに「熱中症」の危険が潜んでいます!
特に、年配の方やお子さん、持病のある方は、家の中でも熱中症のリスクが高いと言われています。エアコンなしではいられない日々、「最近、エアコンの効きが悪いな…」と感じている方は、要注意かもしれません。
まずは、こちらのグラフをご覧ください。

ご覧いただいたとおり、総務省消防庁の資料によると、令和6年5月から9月にかけての熱中症による救急搬送人員は、全国で97,578人にのぼります。これは、平成20年以降で最も多い搬送人員であり、前年度(令和5年)と比較しても約6,111人の増加となっています。
特に搬送人員の状況を見ると、年齢区分別では高齢者が最も多く、次いで成人、少年、乳幼児の順となっています。発生場所別では、住居が最も多く、次いで道路、公衆(屋外)、仕事場(道路工事現場、工場、作業所等)の順です。 これらのデータから、「家」が必ずしも“安全な場所”じゃないことがわかると思います。
1.高齢者は特に注意!熱中症による救急搬送者の大半が高齢者という事実
熱中症で亡くなる方の多くが高齢者であるという現実。
総務省消防庁の資料によると、熱中症による救急搬送者の大半は高齢者であることが明らかになっています。

【熱中症による救急搬送状況(令和6年)「年齢区分別(構成比)、初診時における傷病程度別(構成比)、発生場所別(構成比)」】
出典:総務省消防庁 報道資料「令和6年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況の概要」 を基に筆者作成
この資料の左側の円グラフ「年齢区分別(構成比)」をご覧いただくと総搬送人員97,578人のうち、高齢者(65歳以上)は55,966人で、全体の57.4%を占めています。
これは、熱中症によって救急搬送される方の半数以上が高齢者であることを示しており、非常に高い割合になっています。その理由は、高齢者ほど、体温調節機能が低下するため、暑さや寒さを感じにくく、体温を適切に調整することが難しくなっていることが原因と考えられます。
2.エアコンの効きが悪い?そのまま放置すると「熱中症」のリスクが高くなるかも!
「家のエアコンの効きが悪いのかな?」と感じている場合、そのまま放置すると熱中症のリスクを高める可能性があります。
「以前はもっと部屋全体が冷えていたのに、部屋の奥の方は暑いまま…」
その原因は、エアコンの性能が落ちている、あるいは内部にホコリが溜まっているからかもしれません。例えば、定期的にフィルターの掃除はしているのに、冷えにくい場合は、エアコン本体が経年劣化している可能性もあります。 エアコンの効きが悪いまま使い続けていると、設定温度を低くしてもなかなか涼しくならず、電気代が余計にかかるだけでなく、「熱中症のリスク」を高めてしまう可能性があるので注意が必要です。
せっかくエアコンをつけて熱中症対策しているのに、部屋が十分に冷やされず、熱中症になってしまっては本末転倒です。特に高齢のご家族がいらっしゃる場合は、この“見えないリスク”に十分注意する必要があります。

◆「古いエアコンなら、買い替えも検討してみませんか?」賢く利用したい補助金制度
そこで、もしご自宅のエアコンが10年以上前の古いタイプのものであれば、買い替えを検討するのも賢い選択です。最近のエアコンは、省エネ性能が格段に向上しており、電気代の節約にもつながります。
そして今、エアコンの買い替えを検討している方にとって、嬉しいのは様々な補助金制度が充実していて、それが利用できる可能性があるということです。
これらの制度を上手く活用すれば、購入費用を抑えることができます。
1. 国の補助金制度:子育てグリーン住宅支援事業
国の補助金制度「子育てグリーン住宅支援事業」は、「住宅省エネ2025キャンペーン」の一つとして、省エネ住宅の普及を後押しする制度です。
<補助額例>
<補助額例>

2. 自治体の補助金制度(東京都の例)
国の補助金以外にも、お住まいの自治体には独自の補助金制度があります。
例えば、東京都では「家庭のゼロエミッション行動推進事業」があります。
内容: 対象の省エネ性能を満たすエアコンなどへの買い替え時にポイントを還元。
対象者: 都内に住所を有し、都内の住宅に設置済みのエアコンを省エネ性能の高い新品に買い替える方。
特徴: 販売店が申請を行うため、個人での手続きは不要です。購入時に東京ゼロエミポイント相当分が値引きされます。
省エネ性能によって付与されるポイントは異なりますが、特に製造年から15年以上経過したエアコンからの買い替えの場合、通常ポイントに加えて11,000~47,000ポイントが上乗せされる場合があります。(これは、結構嬉しいかも!)
そして、ポイント交付対象期間は、買い替えが2024年10月1日~2027年3月31日までですが、予算がなくなり次第終了となるので、迷っている方は、早めに確認して決断した方がよさそうです。
3. その他の自治体の補助金例
また、国の補助金制度に加え、全国各地の自治体にも家庭用エアコンに対する独自の補助金制度が数多く存在します。これらの制度は、国の制度と異なり、リフォーム工事を伴わなくても購入・設置のみで申請できる場合があるので、情報をチェックする価値は大きいのではないでしょうか。
補助金額や条件は自治体によって様々ですが、以下にいくつかの例を挙げながら、その特徴をご紹介します。
例①:愛知県の場合
・愛知県名古屋市では、「在宅高齢者エアコン設置等助成事業」として、65歳以上・市民税非課税世帯の高齢者を対象に、「購入+設置費用」を最大92,000円まで補助してくれます。
・愛知県東海市では、「省エネ家電購入促進補助金」として、対象となる省エネエアコンや冷蔵庫の購入に対して、1世帯あたり上限30,000円までの補助を行っています。
(※前年に同補助金を受給した世帯は対象外となる場合があります)。
例②:大阪・兵庫の住宅向け補助(2025年度)
近畿地方でも、多くの自治体で省エネ家電購入を支援する補助金制度が実施されています。
<大阪府の場合>
・泉大津市: 実質支払額の上限20,000円まで補助。
参照元:泉大津市公式サイト
・枚方市: 購入額に応じて、上限10,000円~30,000円(購入額5万円~15万円)の補助。
<兵庫県の場合>
・芦屋市: 購入額が10万円以上で上限20,000円、5~10万円で10,000円の補助。
・三木市: 購入費用の20%を補助、上限20,000円まで。
・高砂市: 市内の店舗で省エネ性能が「星3つ以上」の製品を購入した場合、最高40,000円の補助(他店での購入は30,000円)。
参照元:省エネ家電買替絵促進補助金
例③ 関東・中部・その他主要市の補助制度(2025年時点)
関東や中部地方、その他にも多くの自治体で省エネ家電購入を支援する動きが見られます。
・その他: 茨城県、群馬県、新潟県、長野県、富山県など多くの自治体で同様の支援が行われています。
こうして全国的に見てみると、エアコン購入に対する補助金額は、1万円台~4万円台が中心となっているようです。自治体によっては、国の制度と自治体の支援を併用できる場合があり、組み合わせによっては、最大で50,000円〜70,000円程度の支援を受けることができます。
3.補助金利用のポイントと注意点
一方、補助金を活用する上で、いくつか注意しておきたいポイントがあります。
●申請要件の確認:「★3以上」「APF(通年エネルギー消費効率)が〇〇以上」といった省エネ基準のクリア、登録された販売店での購入、市内店舗での購入、古いエアコンのリサイクル証明の提示など、自治体ごとに細かな条件が設定されていますので、必ず事前に確認しておきましょう!
●申請期間と予算: 補助金は予算枠が限られており、「先着順」で受付終了となる市区町村が多くあります。また、申請期間が短い場合もあるため、対象となる期間をしっかり把握し、早めに情報収集と準備を進めることが重要です。多くの自治体では、令和7年度(2025年4月〜2026年3月)の実施や、予算消化による早期終了の可能性があります。
●併用可否の確認: 国の制度と自治体の制度が併用可能かどうかも、必ず確認しておきましょう。
4.住んでいる自治体で補助金が利用できるか調べる方法
エアコンの補助金の有無や詳細は、お住まいの市区町村の公式サイトで最新情報を確認するのが最も確実です。Googleなどの検索サイトで「〇〇市 エアコン 補助金」「〇〇県 省エネ家電 補助金」といったキーワードで検索し、自治体の環境課や住宅支援課などのページを探してみましょう!「住宅リフォーム助成」や「環境支援事業」といった名称で実施されている場合もあります。
多くの補助金は、年度初め(4~6月頃)に募集が開始されることが多い傾向があります。
購入を検討している方は、早めの情報収集と、申請に必要な書類(領収書、製品カタログ、製造年月がわかる書類、場合によっては古いエアコンの処分証明など)の準備を進めることが大切です。特に10年以上使っているエアコンは、最新の省エネモデルへの買い替えを検討すべきタイミングです。これらの補助金を活用して、電気代の節約と、何よりも命にかかわる「熱中症リスク」の軽減につなげていきましょう!
また、建物の断熱性能が不足していると、エアコンをフル稼働させても室温が下がりにくく、熱中症のリスクが高まります。 エアコンの買い替えと合わせて、建物の断熱性能といった、抜本的な住環境の見直しも併せて検討することも、おすすめします。
気になる方は、下記から、お近くのリフォーム会社に相談してみてはいかがでしょうか?

環境省 「熱中症予防情報サイト」
◆執筆者 玉上陽一
ハウスメーカーで営業、商品開発、マーケティング、ブランディングに従事してきた経験を活かし、消費者視点と事業者視点の2つの視点で快適な住まいのあり方について解説します。
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