風呂・浴槽

更新日:2025年10月29日

お風呂が寒い原因は“窓”だった!断熱リフォームとヒートショック対策

掲載日:2023年12月1日

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寒い季節になると
「お風呂が寒くてつらい」
「湯舟から出た瞬間に震える」
という悩みを抱える方は多いのではないでしょうか。

実はその寒さの原因、浴室の“窓”にあるかもしれません。窓からの冷気を放置すると、急激な温度変化によるヒートショックの危険性も高まります。

この記事では、浴室が寒くなる理由と、窓の断熱によって得られる効果、さらにリフォームで実現できる本格的な寒さ対策までをわかりやすく解説します。

お風呂の寒さは「窓」から逃げる熱が原因

冬の浴室が冷えやすい最大の理由は、外気との温度差による熱の逃げです。
特に窓は、外気に直接面しているため、家の中でも最も熱が逃げやすい部分。
一般的な住宅では、窓から約6割の熱が逃げているとも言われています。

浴室の窓がシングルガラスやアルミサッシの場合、外の冷気がそのまま伝わり、室温が一気に下がってしまいます。
結果として、入浴中に感じる寒さだけでなく、急激な温度変化によるヒートショックの危険性も高まります。
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お風呂の窓断熱がもたらす3つのメリット

お風呂の窓や窓ガラスの断熱対策には多くのメリットがあります。これらのメリットは、快適なバスタイムだけでなく、健康にも大きな影響を与え、さらには光熱費の節約にもつながります。

1.浴室の温度を一定に保てる

断熱性を高めることで、外からの冷気の侵入と室内の暖気の流出を防ぎます。暖房を使わなくても温度が安定し、浴室全体が快適な環境に保たれます。
またお湯の温度が下がりにくくなり、お湯を沸かす回数や量を減らすことができます。また、断熱により室内の熱が逃げにくくなるため、暖房費の節約にもつながります。

2.結露の発生を抑制できる

温度差が小さくなることで、ガラス面の結露が発生しにくくなります。
カビや黒ずみの予防にもつながり、掃除の手間を減らせるのも嬉しいポイントです。

3.ヒートショックのリスクを軽減

脱衣所や浴室の温度差を少なくすることで、血圧の急変動を防ぎ、ヒートショックの予防になります。
特に高齢者がいる家庭では、安全対策としても重要です。

お風呂の窓断熱におすすめの方法4選

窓ガラスの断熱対策には、主に以下の4つの方法があります。
それぞれ特徴が異なりますので、ご自身の環境に合うよう、検討する際にはポイントを押さえておきましょう。

複層ガラスへで浴室をあたたかく

複層ガラスは、2枚のガラスの間に空気層が入っており、この空気層が熱伝導(熱の移動)を防ぐ役割を果たします。その結果、単板(1枚)ガラスに比べて優れた断熱性能を発揮します。また、結露の減少にも効果があります。

Low-Eガラスで断熱+紫外線カット

Low-E(ロウイー)ガラスは、ガラス表面に特殊なコーティングを施したもので、このコーティングによってガラスの断熱性能を向上させます。さらに、紫外線をカットする特性があり、家具や浴室内の色あせを防ぎます。

内窓でお手軽に断熱

内窓の設置は、既存の窓に追加で窓を取り付けて窓を二重にする方法です。
1時間ほどの工事で、費用も基本的に窓ガラスの交換より抑えることができるのもメリットです。
プラスチックや樹脂製の内窓を選ぶことで、さらに断熱効果を高めることができます。

断熱シートやカーテンでDIY対策

断熱シートやカーテンは、手軽で費用対効果の高い断熱方法です。窓ガラスに貼ったり、カーテンとして取り付けたりすることで、簡単に断熱効果を得ることができます。特に予算に制約のある方や、自分で作業したい方に適しています。これらの方法は、お風呂の窓の寒さ対策として選択肢の一つです。
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断熱性能はどっち?複層ガラスとLow-Eガラスの比較

お風呂の窓の断熱対策としてよく選択される単板ガラスからの複層ガラスへの交換、またはLow-Eガラスへの交換は、どちらも窓の断熱性能を大幅にアップできる方法です。しかし、それぞれの特徴やメリット・デメリットが異なるため、自分に合った方法を選ぶことが大切です。

■複層ガラスへの交換
        メリット             デメリット
     
  ・断熱性能が高い
  ・結露しにくい
  騒音を軽減する
  ・一般的にはLow-eガラスより安価
     
   
     
 ・窓のサイズによっては交換できない場合がある
     
   
   
        
 
■Low-Eガラスへの交換
        メリット                     デメリット
     
 ・断熱性能、遮熱性能が高い
 ・結露しにくい
 紫外線をカットできる      
     
   
     
・複層ガラスに比べて高価なケースが多い
・窓のサイズによっては交換できない場合がある
・ガラスに少し色味がある場合がある
     
   



複層ガラスとLow-Eガラス…、結局どちらを選ぶと良いのでしょうか。

どちらを選ぶかは、断熱性能の重要度と予算によって異なります。Low-eガラスは断熱性と遮熱性が高く、特に寒冷地に住んでいる方や断熱性能を重視する方におすすめです。

手軽に断熱したい場合は、断熱シートやカーテンの使用、次に紹介するサッシの断熱対策が選択肢として考えられます。窓ガラスやサッシの交換は専門業者に依頼する必要があるため、手軽な方法と比べて手間や費用がかかります。しかし、窓の交換には断熱性能向上とデザインのカスタマイズが含まれているため、メリットも大きいです。
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お風呂の”サッシ”断熱も忘れずに

窓ガラスの交換だけでなく、サッシによる断熱対策も方法の一つです。
サッシの断熱対策は、窓の周りに隙間を作らず、冷気の侵入を防ぐことを目的とします。

樹脂サッシへの交換

ガラスの周りの「枠」が樹脂製である「樹脂サッシ」は、アルミサッシや木製サッシに比べて熱を伝えにくいため、断熱性能が高いです。これにより、浴室内の温度を一定に保ち、快適なバスタイムを楽しむことができます。

サッシの隙間埋め

古い戸建住宅の場合、サッシと壁や床の間にかすかな隙間ができていることもあります。隙間があると、冷気が入り込んでしまいます。隙間テープやシーリング剤を使用して、隙間を埋めることで断熱効果を高めることができます。

本格的な寒さ対策には浴室リフォームも検討を

窓の断熱だけでなく、浴室全体の断熱性能を上げることで、より高い効果を得られます。
ユニットバスごと断熱仕様に交換するリフォームでは、床・壁・天井の断熱材を強化し、浴室暖房乾燥機を組み合わせることで、冬でもヒートショックを気にせず入浴できます。

また、リフォーム時に「高断熱浴槽」や「節湯水栓」を選ぶことで、光熱費の削減にもつながります。

究極の断熱対策:「窓自体を無くす(壁にする)」

「とにかく寒さを無くしたい」「プライバシーを確保したい」と考える方には、窓を完全に壁にしてしまう選択肢もあります。

窓を無くした場合のメリット

・最高の断熱効果が得られ、冷気が入る箇所がなくなる。
・窓の結露の掃除、防犯上の心配が一切なくなる。

窓を無くした場合のデメリット

・自然光が入らなくなる。
・自然換気ができなくなるため、機械換気設備の強化を考える必要がある。


窓を無くす場合は、採光・換気設備とのバランスを考慮し、専門家と十分に相談して決定することが重要です。

お風呂の窓の寒さ対策のリフォーム事例

お風呂の窓の寒さ対策のリフォーム事例を「リフォーム評価ナビ」からご紹介します。
※以下の参考事例は「リフォーム評価ナビ」登録事業者の施工事例です。
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リフォーム事例1

鋳物ホーロー浴槽あったかお風呂|株式会社リホーム熊本 のリフォーム事例

前のお風呂では、内窓にしてても少し冷気を感じており、寒さ対策がポイントでした。
外窓が単板ガラスのままでしたので、ペアガラスに取替えしました。全然寒さを感じなくなり驚いていますとのことでした。
(ペアガラスは複層ガラスの一種です)

株式会社リフォーム熊本のリフォーム事例詳細はこちら>>
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リフォーム事例2

浴室の寒さを解消するリフォーム|有限会社こうのとり のリフォーム事例

”浴室を拝見すると、大きな出窓タイプの窓がありました。築年数が経過した住宅では、出窓のサッシにすき間ができやすく、浴室にすきま風が入り込むことが考えられます。
今回は窓のサイズを見直し、出窓タイプから断熱性に優れた窓へと変更しました。”
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リフォーム事例3

断熱リノベーション|株式会社ミズカミ のリフォーム事例

”断熱と防犯の事を考え、窓は無くしてスッキリとした暖かいお風呂になりました。”

まとめ| 窓断熱で冬のバスタイムを快適に

お風呂の寒さ対策は「窓」から始めるのがポイント。
窓断熱を行うことで、寒さや結露の悩みが軽減し、快適で安全な入浴環境をつくることができます。

寒い冬こそ、断熱リフォームで“あたたかい浴室”を実現し、家族みんなが安心してくつろげる時間を過ごしましょう。
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◆執筆者
一般財団法人住まいづくりナビセンター リフォーム評価ナビ 事務局K

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