ノウハウ

更新日:2025年08月08日

夏の暑さ対策|「見た目で涼しく」を叶える“涼感インテリア術” NEW

掲載日:2025年8月8日

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今年も記録的な暑さが続き、40度を超える猛暑日が珍しくない夏となっています。
昼も夜も関係なく続く不快な暑さに、悩まされている方も多いのではないでしょうか。
とはいえ、冷房に頼りきるのは、電気代の負担や、身体への影響が気になるところ。
そんなときに取り入れたいのが、「視覚的な涼しさ」を演出するインテリアの工夫です。

皆さんは、色や素材、光の使い方を少し変えるだけで、体感温度がグッと下がることをご存じでしょうか?

今回は、そんな“見た目から涼を感じる”ための、5つのインテリアアイデアをご紹介します。
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idea1. クッションやカーテンを寒色系に変えるだけで、部屋の空気が変わる‼

暑い夏、家に帰ってリビングに入った瞬間、ムワッとした熱気とともに、「なんだか部屋が暑苦しい」と感じることありませんか? 「冷房を入れているはずなのに、なんだか気分が落ち着かない―—」 原因は、部屋のインテリアカラーにあるかもしれません。

例えば、暖色系のオレンジやベージュでまとめていたソファのクッションカバーや、カーテンを「スカイブルー」や「アイシーホワイト」などに変更してみる。 すると、部屋の印象が一気に爽やかに変わります! 

このように、色を変えるだけで、心理的に涼しく感じる効果があります。
これは「色彩心理学」にもとづくもので、青や水色などの寒色系は、心を落ち着かせ、視覚的に涼を感じさせる効果があるとされています。 特に面積が大きく視線が集まりやすいカーテンやクッションの色を変えると、空間全体の印象もガラリと変わるので、コストをかけずにできる最も手軽な“涼感演出”になります。

|おすすめの寒色系カラー
スカイブルー : 爽やかで明るい印象
ミントグリーン : ナチュラルで涼しげ
アイシーホワイト : 洗練された清涼感

なお、視覚的効果によって人の体感温度は最大で「2〜3℃」変化すると言われています。
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idea2. ベッドリネンは「麻素材+くすみカラー」で、触れて、見て、快適に

夏の夜は寝苦しさとの戦いです。
私も以前は寝つきが悪く、深夜に何度も目が覚めていましたが、リネン素材のベッドカバーに変えるようにしてからは、朝までぐっすりと眠れるようになりました。
リネン(亜麻)は吸湿性・通気性に優れているので、汗をかいてもべたつかず、さらっとした感触が持続します。 肌に触れた瞬間のひんやり感が、寝つきの質にも直結していると思います。 また、見た目にもナチュラルで涼しげな風合いがあり、高級ホテルのような雰囲気も演出できてグッドです!

おすすめの色は、ライトグレーアッシュブルーなどの「くすみカラー(ダスティカラー)」を選ぶと、落ち着いた印象と涼感が得られます。 主張しすぎず、空間になじみやすい点も良いと思います。
さらに、ベッドリネンに合わせて枕カバーベッドスローも素材を揃えると、統一感が出てより快適な寝室空間になります。
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idea3. 照明をスタンドライトに。 色温度で「涼しさ」は変えられる⁉

夏の夜、天井の蛍光灯のまぶしさが暑さを強調しているように感じたことありませんか?私自身、寝る前に蛍光灯をつけて過ごしていると目が冴えてしまい、なかなか寝付けないという経験がよくあります。そんな時は、スタンドライトを導入し、間接照明に切り替えてみると良いかもしれません。

照明の光を壁や天井に反射させると、空間全体がやわらかく包み込まれるような雰囲気になり、視覚的な涼しさがぐっと高まります。 この心地よさには、照明の「色温度」が深く関わっています。 色温度とは、光の色味を表す指標で、ケルビン(K)という単位で示されます。 数値が低いほど赤っぽく、数値が高いほど白から青へと変わります。

  <色温度と雰囲気>
2700K : 温かみのある電球色(くつろぎに向く)
5000K : 白色光(自然光に近く、作業向き)
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夏場は、作業時には5000K程度の白色光、リラックス時には3000K前後のやや白めの暖色光など、シーンに応じて切り替えが可能な調光・調色機能付きの照明器具を選ぶととても便利です。
また、フロアランプや間接照明はインテリア性も高く、照明器具そのものが涼しげな印象を与えてくれます。
夏場は、作業時には5000K程度の白色光、リラックス時には3000K前後のやや白めの暖色光など、シーンに応じて切り替えが可能な調光・調色機能付きの照明器具を選ぶととても便利です。
また、フロアランプや間接照明はインテリア性も高く、照明器具そのものが涼しげな印象を与えてくれます。
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idea4. “い草”や竹、ジュートなど天然素材で足元から涼しく

 日本の伝統的な夏素材といえば「い草」です。 私の実家でもリビングのラグを夏になると“い草”素材に変えるのが恒例となっています。

“い草”は天然素材でありながら、吸湿性・消臭効果・抗菌性を兼ね備えており、素足で歩くとサラッとした感触が心地よく、足元から涼しさを実感できます。
最近では、洋室にも合わせやすいモダンデザインの“い草”ラグも多く販売されており、色味をベージュやグレーなどナチュラルなトーンを選べば、視覚的にも優しく落ち着いた雰囲気になります。 そのほか、以下のような素材もおすすめです♪

ジュート(黄麻):ナチュラル感とシャリ感があり、暑い夏にはピッタリです!
竹マット:放熱性が高く、見た目にもクール
 
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ラグは空間を引き締めるうえでも欠かせないアイテムです。
だからこそ、夏の足元対策として素材にこだわって夏冬で“衣替え”すれば、空間全体の印象がガラリと変わり、気分まで爽やかになります。

idea5. ガラスやアクリル素材で「透明感」を取り入れ、抜け感を演出

 最後に、部屋全体の印象を軽やかにするには「抜け感」も重要な要素です。
特に効果的なのが、透明感のあるインテリア小物の活用です。
たとえば、ガラスの花瓶、アクリルやガラス製の間仕切りがあるだけで、光を通し、圧迫感が減少します。
また、カーテンをリネンやレース素材の透け感のあるものにするだけでも、風が通るような軽やかさが生まれます。 “視線の抜け”をつくることで、実際の空間は変わらなくても、体感的な“涼しさ”を感じやすくなるのでおすすめです。
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まとめ|“視覚”と“触覚”を味方につけて、夏の暮らしを快適に

 冷房の温度を下げるだけが、夏の暑さ対策ではありません。 色、光、素材といった「見た目」と「感触」を工夫することで、体感温度は驚くほど変わります。
今回ご紹介した5つの涼感インテリア術は、すぐに取り入れられるものばかりです。

今すぐできる「5つの涼感インテリア」 チェックリスト
☑ クッション・カーテンを寒色系に変更
☑ ベッドリネンを麻素材&くすみカラーに
☑ スタンドライト・フロアランプ+色温度調整で照明演出
☑ 天然素材のラグ(い草・ジュート・竹)を活用
☑ 透明感のある小物や家具で“抜け感”を演出

「暑さをしのぐ」のではなく、「涼しさを楽しむ」発想へ!
インテリアを少し工夫するだけで、夏の暮らしは、ぐっと快適になります。
この夏は、冷房に頼りすぎず、身体にも環境にもやさしい心地よい空間にしてみませんか?
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執筆者 玉上陽一
ハウスメーカーで営業、商品開発、マーケティング、ブランディングに従事してきた経験を活かし、消費者視点と事業者視点の2つの視点で快適な住まいのあり方について解説します。



参考文献:視覚色彩が温感に与える影響のレビュー研究(MDPI 建築研究など
https://www.mdpi.com/2075-5309/13/4/879?utm_source=chatgpt.com

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