日常的に抱えているさまざまな住まいのお悩み。窓をリフォームするだけで解決することが想像以上にあることをご存知でしたか?たかが窓、されど窓。この特集では、窓のリフォームで解決できる住まいのお悩みをご紹介します。

その悩み、原因は「窓」ではありませんか?
お部屋で過ごしていて、冷暖房の効きが悪いなあと感じたり、外音がうるさかったりすることはありませんか?また、結露が気になる方も多いのではないでしょうか。
室内と屋外をつなぐ「窓」は、光を取り入れ風通しを良くするだけでなく、断熱性・防音性・防犯性などの有無によって、住宅の機能性と快適性に大きく係わっています。つまり「窓」のリフォームは、さまざまな問題の解決に繋がるのです。
窓リフォームを行うことによって、どんな悩みが解決するのでしょうか?
代表的な3つの悩みと、その解決方法をご紹介します。
省エネ対策(結露・断熱・日射対策)

熱は温度が高い方から低い方へ移動するため、夏は熱い外気が室内に流れ込み、冬は室内の暖かさが外に逃げてしまいます。「窓」は、住宅の中で最も熱の出入りが大きい部分。窓の断熱性を高めることで気温差から発生する結露防止、断熱による光熱費の大幅節約、日射を遮ることで室内温度の上昇を防ぐことができます。
防音対策

騒音は壁や屋根からも侵入しますが、圧倒的に窓からの侵入が多くなります。
二重窓にしたり、複層ガラス等に交換することで、騒音の解消や、住居から漏れ出す音を軽減することができます。
防犯対策

空き巣被害の約6割が窓からの侵入です。侵入手段は「ガラス破り」と「閉め忘れの窓から」が大半を占めます。破られにくい防犯ガラスに交換したり、二重窓にすること等で防犯効果を発揮します。
これらのほかにも、
通風、採光、防風・暴雨対策など、生活に関わるさまざまなことが窓リフォームで解決します。
窓の交換
既存のサッシごと取り除き、省エネ効果を持つ新しい窓に交換します。
工期:約1日/1窓あたり
(カバー工法の場合)
内窓の設置
現在の窓はそのままにして、内側にもうひとつ窓を新設します。
工期:約60分程度/1窓あたり
ガラスの交換
現在のサッシ枠からガラスを外し、機能性ガラスに入れ替えます。
工期:約30~60分/1窓あたり
その他、「窓リフォーム」にはシャッター・雨戸の取付け、網戸の交換などがあります。
窓の交換
窓サッシごとリフォームします。リフォームの方法としては、既存の窓サッシの上に新しいサッシをかぶせる「カバー工法」と、現在の窓サッシを撤去して窓ごと取り替える「はつり工法」があります。
サッシごと取り替えるため、他の方法と比べて断熱性が高く、
さらに断熱性の高いサッシを用いれば、より効果が向上します。

ただし、「はつり工法」では窓まわりの壁にも補修工事が必要になるため、コストがかかります。また、「カバー工法」では、壁を壊さずに工事ができるため短期間で工事が済みますが、新しくサッシを被せるため、開口部が一回り小さくなってしまいますので、注意が必要です。
なお、集合住宅の場合は、実施にあたり管理規約を確認しましょう。

窓の交換:費用目安(カバー工法の場合)
費用相場:
200,000円~300,000円
※窓面積3.5m2程度を想定
内窓の設置
現在の窓の内側にもうひとつ窓を設置して二重窓にします。断熱効果が高く、あわせて防音、防犯効果もあります。比較的簡単な工事のため短期間ででき、費用もあまりかからないことから、人気の高い省エネリフォームです。
内窓は単板ガラスでも十分断熱効果が得られますが、「複層ガラス」のサッシにすると、いっそう効果が高まります。
なお、二重窓になるため開閉の手間が増え、掃除が大変と感じる方もいます。


内窓の設置:費用目安
費用相場:
150,000円~300,000円
※ガラス面積1.5~3.5m2程度を想定
ガラスの交換
現在のサッシ枠からガラスを外して、ガラスのみを機能性ガラスへ交換します。防犯や日射対策など目的に合わせてガラスのタイプを選べます。
最も手軽な省エネリフォームで、短期間ででき、費用もリーズナブルなので、たくさんの窓をリフォームするときにおすすめです。
ただし、ガラスの性能しか向上しないため、効果は限定的になります。また、ガラス交換により重量が増すため、可動部分やレールに負担がかかります。古いサッシの場合は、ガラスの交換ができない場合もあるため、注意しましょう。


ガラスの交換:費用目安
費用相場:
80,000円~150,000円
※ガラス面積1.5~3.5m2程度を想定
シャッター・雨戸の取り付け
シャッター・雨戸は防犯対策の他、台風などの防風・防雨対策、遮光対策、外からの視線をシャットアウトしてプライバシー保護するなど、取り付けることでさまざまな効果があります。

シャッター・雨戸の取り付け:費用目安
シャッター取り付け:
100,000円~150,000円
網戸の交換
室外にある網戸の設置・交換・張替えも、老朽化や破損が多く、ニーズが多いリフォームです。

障子・網戸の交換:費用目安
網戸交換:
3,000円~5,000円/枚
断熱性を高めることで
煩わしい結露も解消!

窓リフォームを検討している理由の上位にあがる悩みのひとつが「結露」です。結露でカーテンや床が濡れてしまったり、そのまま放っておくとカビやダニの発生の原因になるなど、健康に害を及ぼすことも。また、構造体の腐朽の原因ともなりますので、結露防止を行うことは、住宅の耐久性を高める上で重要です。
結露が起こる原因は、部屋と外の温度差にあります。部屋の中の暖かく湿った空気が冷たい窓に触れて水滴になって現れます。窓リフォームにより開口部の断熱性を高めることで、結露対策が可能になります。
シャッター・雨戸で、
防犯性アップ

空き巣に狙われやすい侵入口として圧倒的に多いのが窓。侵入に手間取りそうな窓にするだけでも防犯性が高まります。
二重窓や防犯合わせ複層ガラスに交換するだけでも防犯対策としては効果的ですが、さらに防犯効果を高めるために、窓シャッターや雨戸を取り付けるご家庭も増えています。
後付けでシャッターや雨戸を取り付けるのは大掛かりな工事になるイメージですが、専用部材を使って最短1日で完了させる方法もあります。また、台風などの災害対策としても効果的です。
内窓で解決!気になる音は、
入れない・出さない

車や人の騒ぎ声など室外から入ってくる騒音に悩まされストレスを抱えていたり、室内の赤ちゃんの泣き声や子供の騒ぎ声、ピアノの音やペットの鳴き声などが外に漏れていないか心配…といった、「音」の悩みを抱える家庭も少なくありません。熱と同じく音の出入り口でもある窓をリフォームすることで防音対策が可能になります。
防音対策には、ガラスが2重になった防音タイプの複層ガラスに交換する、または、内窓を取り付けるだけでも解決します。内窓を取り付けることで空気の出入りする隙間を少なくし、気密性を高めることで防音効果が生まれます。内窓の取付けなら、工事も比較的簡単で、コストも抑えられます。
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窓リフォームの施工事例写真を一部ご紹介します。リフォーム事例では、ここにご紹介している事例写真以外にもテーマなどで絞って見ることができます。理想のイメージを固めるには、施工事例をたくさん見ることも重要です。また、事例写真で見積依頼をするリフォーム業者を選ぶのもおすすめです。
窓リフォームの失敗事例の中から一部をご紹介します。失敗しないためにも、失敗事例を参考にしておきましょう。
憧れの「出窓」に
交換したのだけれど…。

友人の家の出窓を見て、出窓に憧れ、リビングのリフォームをするついでに窓を出窓にリフォームしました。リフォーム前の窓は床から少し高めの位置にあり、窓の位置を変えると大掛かりな外壁工事が必要になると言われました。出窓のリフォームはあくまでもついでなので、そこまで大掛かりなリフォームをするつもりもなく、そのままの位置で安易に出窓へ交換をしてしまったのが失敗でした。
出窓自体は問題ないのですが、出窓の鍵を開け閉めしづらい高さになってしまい、窓を開けるのが面倒です。
さらに、出窓の位置も微妙な高さのため、物を飾るにしても思い描いていたものと違っていて、今では単なる物置きとなってしまっています。
「どこまで含まれるか」に
業者とのズレが。

元々あった窓が小さく、光が入りにくく年中室内が暗かったので、採光のために大きな窓を新しく取り付けてもらいました。
カーテンレールが付いていなかったので問合せてみると「付属品は別になる」とのことでした。今までと違い窓が大きくなったのでカーテンは必須。結局、追加依頼をすることになり、当初の予定よりコストオーバーしてしまいました。
今回のことで私たちが「当然含まれているはず」と思っていたものでも、そうとは限らないということがわかりました。リフォームする時にしっかりと工事内容を確認しておくことが大事だと学びました。
どれを選んだらいいか
分からなくて、
価格だけで決めた結果…

駅前のマンションに越してきてから、想定はしていたもののやはり線路沿いのため電車が通る音や踏切の音が気になり、内窓を取り付けることに決めました。
いざ取り付けようと考えると、メーカーによって商品がさまざまで、どのメーカーを選んだらいいのかがわからずに業者さん任せに。
最安値で、とお願いしたら、壁紙との調和などがいまひとつの仕上がりで、イマイチ満足できていません。価格はもう少しアップしても良かったなと思っても後の祭り。
見積りの段階で、他のメーカーの商品と比較して検討すればよかったと後悔しています。
まずは見積りを数社に依頼しましょう。工費はもちろん取り扱うメーカーなども業者ごとに差があるため、なるべく多くの見積りをとることがお得に理想的なリフォームを行うコツです。1社だけでは、それが適正なのか判断するのが難しくなります。そして、相談は念入りに行い、要望を具体的に伝えることが大切です。
業者を選ぶ際には、コストだけでなく窓リフォームの施工実績も考慮しましょう。たとえば「防音と断熱が目的のリフォーム」には、サッシを取り替える、ガラスを替える、内窓を取り付ける、といった、様々な方法が考えられます。現状にはどの方法が最も適しているか、的確なアドバイスができるリフォーム会社を選びましょう。

どの会社にリフォームをお願いするか、ついつい費用面だけで判断しがちですが、こちらの要望をどれだけ汲み取って、要望に応えようとしてくれているか等もあわせて確認するようにして、依頼する業者を慎重に選びましょう。
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窓リフォーム経験者の口コミを一部ご紹介






実際に窓リフォームをされた方々の口コミからリフォーム業者を検索して、気になる業者へ見積り依頼してみませんか?
見積り依頼は無料です。
窓の断熱リフォームを行うことで、税金控除による減税や、こどもみらい住宅支援事業(2022年6月1日現在)の補助が受けられることをご存知ですか?省エネリフォームの優遇制度を利用するのとしないのとでは費用に大きな差が生まれます。ぜひ活用して、お得に「住まいの快適」を手に入れましょう。
自らが所有し居住している住宅に対し、要件を満たす省エネ改修工事を行った際、所定の手続きを行うと、控除対象限度額を上限として、10%の控除を受けられます。
窓リフォームの場合、全ての居室の窓全部の断熱工事が必要です。また、窓リフォームとあわせて行う、床や天井、壁の断熱工事、太陽光発電の設備設置工事等も対象となります。ただし、省エネ改修部位がいずれも平成28年省エネ基準相当に新たに適合すること、工事費が50万円以上であること、確定申告が必要である他、さまざまな条件がありますので注意が必要です。詳しくは税務署や市区町村に問い合わせを。

こどもみらい住宅支援事業は、住宅性能を有する住宅ストックの形成を図るために、住宅の省エネ改修等に対して国が支援する事業す。窓の断熱改修も対象となります。

関連リンク:リフォームに関する補助金(リフォーム優遇制度)
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外壁は何重構造にもなっていますが、窓はガラスだけ。この“弱点”の克服が住まいを快適にします。
窓リフォームに深く関わる窓ガラスやサッシのことなど詳しく解説しています。
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