節水・節電から選ぶトイレ事情
便器の汚れ防止とともに、節水と節電はトイレメーカーが長年追求し続けてきたテーマです。かつて洗浄に何十Lも必要だった水は数Lになり、温水洗浄便座やふたの自動開閉などで電気を使用する多機能な最新トイレでも電気代は数百円と、ランニングコストはかなり下がってきています。こうした最新トイレを取り入れ、リフォームの補助金なども活用して、コストの削減を考えていきましょう。
流す水を極力抑えた超節水時代が到来
2006年に東京都水道局が発表した調査結果では、家庭内で使用する水のうち、1位のトイレが28%、2位の風呂は24%で、実はトイレの方が上回っていました。40年前のトイレでは1回の洗浄に20Lもの水を使用していたというデータもあり、いかにトイレが水を必要とする設備であるかがわかります。1日に数回しか使用しないものであり、できるだけ節水したいというのが消費者の心理。これに応えるようにメーカーも節水の技術開発を長年続けてきました。便器内部の形状を工夫したり、流す水や排水の方式を考えたりして、今やどこの会社の製品も、従来品より70%前後の節水を達成。大の洗浄でも約4~6L程度で流すことができる、超節水時代が到来しています。現在最小の水量の製品は3.8Lで流すことが可能。家族の人数が多い、トイレの使用頻度が高いといった場合は、より水の使用量が少ないトイレを選ぶことで、水道代を抑えていくと良いかもしれません。
2016年11月から、国による住宅ストック循環支援事業のうち、住宅のエコリフォームの区分で、節水トイレにリフォームすると補助金が出るようになりました。こちらは2017年の12月31日までに工事を完了させなければならない期間限定の制度。ほかの部分のエコリフォームと合わせて実施するなどいくつか条件がありますが、最新の節水トイレに変える良いチャンスではないでしょうか。
最新トイレはかなり節電できる
現在のトイレは温水洗浄便座の搭載はもちろん、センサーでフタを開閉したり、ボタン1つで洗浄できたりと、電気を利用した便利機能を備えたものが主流になっています。これらには節電モードも搭載され、使用しないときは極力使う電力を抑えるなど、省エネ化が進んでいます。
内閣府の調査によると、日本の一般世帯における温水洗浄便座の普及率は82.1%。年々上昇しており、今やあるのが当たり前ともいえる時代になりました。温水や保温といった機能は最も電力を使うものであり、電気代が気になるところですが、節水同様、旧来品と比べて70%以上節電したモデルもあるなど、節電が進んでいます。メーカーによって違いはありますが、かつて1,000円近くしていた月の電気代は、今や数百円程度に。温水洗浄に便座の保温、ふたの自動開閉、温風乾燥機能、音が鳴るといった多機能でこの金額だとすれば、電気代は決して高いとはいえないでしょう。
しかし、使い方によってこの電気代は違ってきます。季節に合わせて暖房便座の温度を変えるのは基本。夏場は切ってしまっても良いでしょう。開けっ放しのフタは放熱によって電力を消費してしまうので、常に閉めることを心がけたいものです。
古くなったら適正な時期に取り替えを
トイレはあまり壊れないものという印象がありますが、それは手動で水を流すアナログなタイプが主流の時代のこと。今は最新の機能を組み込んで電気で動いているため、故障は十分考えられます。トイレの法定耐用年数は15年、温水洗浄便座の耐用年数はメーカーによると7年が目安です。温水洗浄便座については、年数が経ってきたらたとえ問題なく使えていても、節電効率を考えて取り替えることを検討しても良いでしょう。便座だけを取り替えるタイプの製品は、大抵国内メーカーのほとんどの便器に対応しており、自分で交換することも可能。トイレ全体については部品の劣化などを見つつ、10年から20年で全面リフォームを検討しましょう。
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